旅した期間:2013/2/3~2/9
旅先で印象的な出会いがあると、世界遺産よりも風景よりも、出会ったその人のことを先に思い出すことがありますよね。
管理人は、6年前のインド旅行で、今でも真っ先に思い出す男性がいます。それは淡ーいロマンス♡だからではなく、海外で初めて遭遇したセクハラ野郎だったのでずっと根に持っていたのです。しかもその男は現地ガイドだったという。
以下、セクハラガイドと戦った記録でございます。女性の一人旅は特に嫌な目に合うことも多いので、今後の自戒を込めて振り返ってみました。
インド旅行スケジュール
某インターネット専用旅行会社のフリープランツアー(ホテル+空港や駅までの送迎付き)を申し込みました。スケジュールはこんな感じ。
Day1 デリー着
Day2 デリー発 夜行列車にてベナレス(バラナシ)へ
Day3 ベナレス着 サールナート観光
Day4 ベナレス泊
Day5 ベナレス発 夜行列車にてアグラへ
Day6 アグラ泊
Day7 アグラ発、専用車にてデリーへ
Day8 デリー発日本へ
問題の日はDay3でございました。
ベナレス駅に朝に到着し、駅に迎えに来ていた送迎ガイド♂と一緒に、サールナート&ベナレスの一日観光ツアーに出かけました。このガイドが問題のセクハラガイドです。(サールナートとうのは仏教の聖地で、ブッダが初めて説法をした地として知られています。)Day1でデリーの空港~ホテル送迎時のガイドさん(この人はまじめな人だった)に、ベナレスに着いたらサールナートに行きたいと伝え、1日ツアーを事前に申込していたのです。
▲ガンジス河ではボートにも乗れます
専用車に乗り、運転手さんとガイドと3人で、ベナレス→サールナートへ出発。このセクハラガイド♂、当初からなんとなく苦手なタイプだなーと思っていました。
しかも日本語が話せるガイドだと事前に聞いていたのに関わらず、ほとんど話せず、英語オンリーやり取りでした。そして会って数分後に「自分の兄貴(旅行会社の責任者らしい)と電話繋がってるから話して!」と言われ携帯電話渡されたり、車移動中に干し梅をあげたらお礼言わずに「もっとくれ」と言われたり。
ですが違和感はありつつも、きっとフレンドリーな性格なんだろうとあまり考えないことにしていました。そして私は何で干し梅をあげたんでしょう(笑
一日ツアーは、
- 午前 サールナートで寺めぐり
- 午後 ラームナガル城とベナレスヒンドゥー大学
- 夜、ガンジス川でプージャ(儀式)を見学
という内容で、セクハラガイド曰く「料金は事前に提示していた通りの値段でOK」とのことでした。
違和感から不信感へ
サールナートに到着後、車から降りてガイドと二人になったら始まったプライベート質問攻撃。「彼氏いるのか」に始まり「何歳か」「どこで働いているのか」「給料いくらか」などなどなど。彼氏いなかったらどうするつもりなのん?と身の危険を感じ、「日本にいる彼氏と帰ったら結婚する予定なんだよ」とラブラブアピールで防御します。彼氏いないけども。その当時しばらく恋人ナシ状態だったので、インドまで来て架空の彼氏の話をしている自分自身にむなしくなったり…オイ、何てこと思わせるんだ!
インドの人って、初対面でも人と人との距離が近いんです。そのインド人の人懐こさから、旅行中、観光地や夜行列車や道端ですら楽しい思い出ができたことがたくさんあります。ですが、1対1でガイドさんに根ほり葉ほり聞かれるのはちょっとなぁ…と思いました。
ただ、ストゥーパや博物館の見学中はガイドが入場しないため、一人でのびのび行動できました。ガイドと離れられたことにホッとする始末。ストゥーパで写真撮影してあげた中国人グループを見て、「友達同士ワイワイしてて楽しそうだなぁ私なんか見学終わったらあのガイドとまた一緒なんだぞ…」と思う始末。
▲5~6世紀に建てられたとされる、一番有名な仏教建築。
サールナートで他にも行きたい寺があったのに「そこは行かなくてもよい」みたいな理由で連れて行かないし、モヤモヤが募りつつベナレスへ戻ります。ベナレスにて、「ラームナガル城」※を見学したあと、すぐ近くのラッシー屋さんへ寄りました。
ラッシーひとつ20円と、激安なのでガイドにあげたら黙って飲んで終わりでした。礼もなく、(あーそうですか)とまたモヤッとする私。ただ、ここのラッシーの美味しさには感動したので行ってよかったです。デリーの数多のレストランのラッシーより遥かに安くて美味でした。
▲乳製品の美味しいベナレスで一番美味だと有名なラッシー屋さん
▲コクとほのかな甘みが超絶美味のラッシー。飲み終わった後の陶器は地面に投げ捨てます笑
そして車内で始まった、ガイドからのお土産屋行こうよ攻撃。親戚が土産物屋をやっているので是非連れて行きたいとまくし立てられます。
プライベート質問攻撃といい、攻撃が多彩すぎやしないか?もしかして冒頭の兄貴との電話も、土産物屋に行くのを断りにくくするためなんじゃねーの?サールナートを早く切り上げたのは土産物屋に連れて行くためだったんじゃねーの?と沸く疑念。商魂たくましいのは結構だけれど、私は買う気ないよ。ひたすら「NO.」「お土産いらない」で断ります。徹底防御します。が、結局その日は4~5回勧誘されました。
攻撃力高くないか?!防御しつつもHPが削られていくよ…
不信感は確信となる
夕方、観光地としても有名な、ベナレスヒンドゥー大学で神様の像や美術品を見学しました。大学内にある像を回り、ヒンドゥー式のお祈りをしました。
車に戻ろうと、ガイドとふたり階段を降りていたときのこと。踊り場でいきなりガイドが立ち止まり、両腕を広げて一言。
「HOLD ON ME!!」
……絶句。怖くなって、無視して逃げるように階段を駆け下りました。「え、何が起こったの???」と混乱するだけでした。
「ホールドオンミー」って、英語の苦手な私でも意味のわかる言葉だもん。だって中学の時、モーニング娘。の『抱いてHOLD ON ME!』が帰りのHRの歌だったもん。てか、さっきまで神様にお祈りしてたのに、わざわざ人気のない場所で抱きしめろとか神を冒涜してんじゃないの?気持ち悪い。
人に怒り慣れてないからなのか英語が不得意で言葉が出てこないからなのか、馬鹿にされてもその場で明確な抗議ができない自分が悲しかったです。

車内に戻っても怒りが増すばかりでした。一方で、
♪ウゥ~ホドミィ もいちど好きって聞かせてほしい~♬
『抱いてHOLD ON ME!』が脳内リピートしていました…
というか、(つんくさぁ、コレが10代の少女に歌わせる唄かよ?)だの(中学のHRで教師とクラスメイト全員で歌う唄じゃねーよ。その選曲のセンスなんなん?)だのと関係なことをダラダラ考えてました。そしたら、
助手席のガイドが後部座席に振り返り、とどめの一言。
「お土産屋行こうよ」と。
「NO!!!!!」
NOを連発し、「お土産物屋は行かねぇって何回もいってんだろうが」と日本語で悪態つきまくったのだけれど、多分伝わっていなかったでしょう。あのホールドオンミー男の、両腕を広げた時のニヤけた顔が今思い出してもムカつきます。
ムカムカしながら車でベナレスのホテルに向かっていましたが、その日はまだ、夜のガンジス川にガイドと行くという旅程が残っていました。さて私はこのあとどう行動したでしょうか。
次回へツヅク
