旅した日:2019/6/2
利尻島に滞在している間、高山植物の宝庫である礼文島に日帰りハイキングして来ました。
島そのものの素晴らしさに加え、隣の利尻島の眺望も自慢な礼文島。信じられないくらい綺麗なところでした。
桃岩展望台コースについて
礼文島の代表的なハイキングコースは7つあります。なかでも桃岩展望台コースは最も人気のあるコースで、礼文島の南側に位置します。
高山植物の宝庫のお花畑、断崖と青い海のコントラスト、海に浮かぶ利尻山、特徴ある巨岩が魅力的な素晴らしいコースです。
フェリーターミナルからハイキングの起点・【知床】までバスで行き、【桃岩展望台】までハイキング、その後フェリーターミナルまで徒歩移動するのがおすすめです。レンタカーだとハイキング後に起点まで戻らないと行けないので、車よりもバスの方が良いです。
管理人のスケジュール&アクセス
※時刻表は2019年6月時点のもの。フェリーの時刻表は毎年1月、宗谷バスの時刻表は毎年4月中旬に改定になるようです。
09:20 鴛泊発(利尻島ターミナル)
10:05 香深着(礼文島ターミナル)
10:21 ターミナル発
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⇩ 観光シャトルバス乗車
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10:29 北のカナリアパーク着、観光
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⇩ 徒歩20分
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11:30 知床登山口 発
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⇩ 桃岩展望台コースを歩く
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13:10 桃岩展望台 着、観光
13:50 桃岩展望台 発
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⇩ 徒歩
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14:40 礼文厳島神社 着、参拝
15:00 礼文厳島神社 発
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⇩ 徒歩10分
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15:10 フェリーターミナル着
礼文町郷土資料館見学、お土産購入など
16:35 香深発、フェリーにて利尻へ
というスケジュールでした!
※バスを利用しない場合、フェリーターミナル~知床登山口までは、徒歩1時間ほどです。
※コースや桃岩展望台周辺には飲食店や土産物屋はありません。香深にしか無いです。ハイキング中に食べられるよう、おにぎり等持参するのがおすすめ。
北のカナリアパーク
宗谷バスに乗り、漁村の家々を眺めながら、あっという間に【北のカナリアパーク】に到着。直接、ハイキングの起点【知床】までバスで行ってもいいのですが、せっかくなのでパークを観光します。
吉永小百合主演映画『北のカナリアたち』のロケ地です。離島の小学校が舞台の映画で、セットの小学校がそのまま保存されています。
校舎に入れます。教室があり、お道具箱やら習字やらリコーダーやらが実際に置かれています。セットの作り込みが細かくじっくり見てしまいます。面白い。映画のセットってここまでやるんですね。ちなみに玄関より奥は撮影禁止エリア。
原作の、湊かなえ著『往復書簡』は面白く読んだのですが、映画は観たことなかったので訪問前に慌てて観ました。映画と原作は全然違います。ストーリー自体は「小百合様のキスシーン…」「なぜ不倫要素を入れた…」と終始「?」でしたが、利尻と礼文の風景がめちゃくちゃ綺麗に撮影されているので訪問前に観てよかったです。
利尻山が一番美しく見られるのはどこか?と調べた結果、セットの建設場所がココに決まったようです。そのとおり、庭から見る利尻山の眺めの素晴らしいこと!この日は山のふもとは雲に隠れてしまっていますが、晴天だと海に浮かぶ利尻山が拝めます。ノスタルジーな校舎もあわせて絶景スポット。
カナリアパークには休憩所が設けられており、自販機やホットコーヒー、清潔なトイレがあります。この先、桃岩展望台までトイレが無いのでここで済ませます。いよいよ登山口へ向かいます!
知床口
カナリアパークからハイキング入口まで歩いていくと、知床(しるとこ)の集落が見えます。
なんかもうね…素晴らしいんですよ。何て場所にある集落なんだ。北限の離島の端っこ、目の前に利尻山が浮かんでいる地で暮らし、漁をする島民たち。北の果てに来ている昂ぶりで勝手に感傷的になる管理人。
コース入口ギリギリまである畑を抜けると、
到着。

D知床→C元地灯台→B桃岩展望台→香深のコースを歩きます。休憩含めずに、トータル2時間30分~3時間くらいの行程です。
知床~桃岩展望台を歩く
バックに利尻山を背負い、ゆるやかな坂を登っていきます。
これからどんな景色が広がっているのかワクワク。
コース入口からお花がチラホラ。6月は花が咲き乱れる時期!嬉しい。
礼文島のトレイルコースは背の高い木が少なく、視界が開けた丘や谷をぐんぐん進んでいきます。コースの標高は200メートルほど。登山ではないので起伏がなだらかで、膝も痛くなりませんでした。
▲こんな感じで、コースは歩道や階段が整備されているので歩きやすいです。
山歩きはよくするけれど、断崖を歩くのは初めてでとても新鮮!
海を見ながらのトレイル楽しい…!分かりづらいですが、崖沿いに小さな高山植物がびっしり。
知床から上り坂を40分くらい歩くと、元地灯台に到着。色合いがシックでモダン。
このあたりからどんどん霧が出てきて辺りが真っ白になりました。視界が白くて不安になりますが、とりあえず進む。進むほど咲いている花が増えてきます。
レブンコザクラ可愛い…!


6月はお花のベストシーズン。まさに楽園です…!お花ってどうしてこんなに美しくて色とりどりで個性が強いんでしょう、とついつい考え込んでしまう位の可憐さ。
島の天気は変わりやすく、霧が晴れると、目の前にこの絶景!
日本じゃないみたい
拡大すると、
最北の離島の、こんな崖下に家があるのか~!!まさに秘境家!住んでるのどんな人なの?!と、えらく感激しました。あとから調べたら、おそらくここは伝説のゲストハウス【桃岩荘】だと思われます。管理人は泊まる勇気が無いですが。
右の白い道が遊歩道。こんな景色のなか歩けるなんて幸せ。
反対側は、笹とハイマツの広がります。いろんな景色を楽しみながら進みます。

すると、出発から1時間40分程度で桃岩に到着。知床口の案内板には桃岩とは、名前通り桃のような形の巨大な岩で観光名所となっています。
この桃岩のある谷が素晴らしく。
これ、風の谷だよね。メーヴェでナウシカが登場するよね。トルメキアが攻めてくるよね。ひとりで勝手に興奮。誰かにしゃべりたい…けどいない…ひとり旅のこういうところ…!
実際、風がものすごく強く帽子が何度も飛ばされたのでご注意を。
▲写真中央、谷の奥、海に浮かぶ岩。むこうを見ている猫の背中のようだということで、【猫岩】と呼ばれています。管理人はこの岩が大好き。猫背の具合と尖った耳がまさにネコ。我が家のネコ様にそっくりな、哀愁ある背中と後頭部が可愛い。
桃岩展望台~香深
桃岩展望台にはトイレが設置されているのできっちり済ませます。ここからフェリーターミナルのある香深まで、山道をまた1時間ほど歩きます。
香深までは⇩のような案内板が出ているので、案内通り山道を歩いていけば迷いなく着くと思います。

とぼとぼ散歩していたら、神社を発見。

ここの神社、階段を上り右手側にある坂道を上がっていくと、利尻山がすごく綺麗に見られる場所があります。
見事!隣の島の眺望も自慢な礼文、お得感がすごい。
ちなみに、お堂の天井に、礼文島に咲く花の絵が描かれていてちょっと嬉しい気持ちになりました。
神社までくれば、ターミナルまではすぐそこ。3時間歩きましたが、景色にいちいち感動していたのであまり疲れは感じませんでした。フェリー出発の時間まで時間があったので、ターミナル前のお土産屋さんに行ったり郷土資料館を見学したりして時間を潰し、その日に利尻島へ帰りました。
まとめ
雄大な利尻山の姿を見ることから始まり、断崖や青い海や色とりどりの花々を眺めながらの楽しすぎるハイキングでした。礼文島は小さな島なのに、ハイキングで見下ろす大地は広大で地球を感じました。
花の咲き乱れる季節に、また何度も行きたい。礼文は驚きのたくさんある、信じられないくらい美しい場所でした。
