訪れた日:2019/6/9
管理人は、リゾートバイトのため、2019年夏に最北の離島・利尻島に3か月間滞在していました。
利尻島といえば、日本百名山に数えられる利尻富士!海岸線まで続く、なだらかな曲線が美しく、島を訪れた人なら誰しも魅了される山です。ですが、登山するとなると往復10時間はかかってしまうため、体力の無い人や登山初心者にはキツイ。
ところがどっこい、初心者でも、ハイキングしつつ利尻山と海の眺望を楽しめる山があるのです。それがポン山!気軽に登れて、名水まで味わえちゃう、ポン山ハイキングのレポートです!
ポン山って?登山時間は?
ポン山とは、利尻山の側にある標高444メートルの小さな山です。
▲奥の雲に隠れている山が利尻山、手前のなだらかな低い山がポン山。富士野園地では、7月上旬にはエゾカンゾウが咲き誇ります。
登山口から山頂までは、標準タイムで約45分程度。写真を撮ったり植物を見たりしても、1時間もあれば登れちゃいます。登山道が整備されており、急な勾配が延々と続いたり岩肌を登ったりすることはありません。鳥のさえずりを聴きながら、森のなかをゆったり歩くことができます。また、途中には名水・甘露泉水があり、自然を感じながら美味しい湧き水を飲むという楽しみもあります。
山頂からは、利尻富士をすぐ間近に眺められ、港や海、隣の礼文島まで見渡すことができます。また下山時はなだらかな下り道で、片道30分程度でらくらく降りられます。
山頂でゆっくり休憩したとしても、往復で2時間かかれずに登ることができる、登山初心者に最適のコースなのです。
登山口へのアクセス
登山口はこちら。北麓野営場。
バンガローのあるキャンプ場です。もちろん駐車場完備、駐車無料。ちなみに、利尻山登山もここからスタートします。最初は同じ登山道ですが、途中からポン山と利尻山で分岐されます。もちろん分岐点の看板あり。
各交通手段でのアクセス
レンタカー 鴛泊フェリーターミナルより約10分
バス 「鴛泊フェリーターミナル」より乗車、「温泉バス停」下車
下車後、北麓野営場まで徒歩約40分
徒歩 鴛泊フェリーターミナルより約60分
フェリーターミナル前にある、レンタカーが一番おすすめです。ちなみに、利尻島には流しのタクシーは無く、ハイヤー(完全予約制)のみです。ハイヤーも早朝は営業していないので注意が必要です。管理人も車を利用しました。
バスは便が悪く、北麓野営場前まで直接運行しないので、ポン山登山にはおすすめしません。鴛泊フェリーターミナル経由だと、「温泉バス停」に停車するのは一日3本くらいのみ、しかもお昼頃まで便が無いです…。
宗谷バスHP☞http://www.soyabus.co.jp/routebus/rishiri
徒歩で行く場合、フェリーターミナルから山側へ15分程度歩くと、車道と「甘露泉水ハイキングコース」の分岐点があります。車道を進むと北麓野営場へ。甘露泉水ハイキングコースを進むと、登山口の北麓野営場を通らずに、森を通って直接甘露泉水まで行くことができます。好きな方を選びましょう。
ポン山登山に必要な装備
ポン山コースは登山道が整備されており、岩肌を手を使って登ったり・草木をかき分けて進んだりすることはありません。また往復で2時間もかからずに登れるので、軽めの装備で問題ないです。
初心者向け 登山用服装案内
服装は、日よけの帽子と雨具さえ持っていけば、スニーカーやジーンズでもそれほど苦労なく登れると思います。
ただ、ラクに登れるならそれに越したことはない!ということで、体力の無い登山好き・管理人の登山装備はこちら⇩
撥水性のある登山用品
★マウンテンジャケット(Low aipine)
★ショートパンツ(Patagonia)
★スパッツ(UNDER ARMOUR)
★登山用靴下(利尻島土産。フェリーターミナルで販売してます)
★登山靴(THE NORTH FACE)
登山用ではないが、軽い登山なら十分代替できる品
★Tシャツ(無印)
★エアリズムの下着(ユニクロ)
★UVカットつば広帽子(無印良品)
★防寒用裏起毛パーカー(ユニクロ)
★汗拭き用の手ぬぐいかタオル
6月の利尻はまだまだ肌寒く、住宅地であってもTシャツ一枚では過ごせません。ですのでTシャツの上にユニクロのモコモコのパーカを羽織り、厚くなったら脱ぐ、寒くなったら着る、を繰り返していました。登山のときも同じです。
Tシャツは速乾性のあるものがベストですが、ポン山くらいの行程なら綿のTシャツでも気にならないです。
管理人は、片道2時間以上の登山なら撥水性のある登山用帽子をかぶります。ですがこの日は日差しが強く、片道45分程度なので、つばの広いUVカットの帽子を選択。日焼けしたくないですからね。もし雨が降ったとしても、無印の帽子は折り畳み出来るので荷物にならず便利です。
持ち物 必要なもの、便利なもの
必ず持参するもの
★水(500ml×2)
※水は登山入口の甘露泉水で汲めます。水筒やペットボトルの準備を。
★おにぎり、チョコレート、みかんなどの食料
★携帯用トイレ
あると便利なもの
★日焼け止め(山は日差しが強い。SPF50がおすすめ)
★ハッカ油(虫よけに最適!)
こんな感じ。
!注意! 環境保護のため、利尻山(ポン山も利尻山の一部です)に入山する場合、青空トイレは禁止されています。大も小もダメですよ。生態系を壊さないため、必ず守りましょう。
ですがポン山登山道には、登山口にしかトイレが無いです。往復2時間程度なので我慢できる場合もありますが、もし途中でもよおしてしまったら?そこでこちらを携帯しましょう。
携帯トイレ。登山口の北麓野営場のほか、島内の宿泊施設、セイコーマート、観光案内所などで、1セット400円で販売しています。(写真の携帯トイレとは値段や形が異なります)
管理人は、利尻島沓形地区のサツドラ(ドラッグストア)でGET。茂みで用を足したらリュックに入れておき、下山してから登山口にある回収BOXに捨てましょう。
ちなみに管理人は、ポン山では我慢できたので携帯トイレは使用しませんでした。
そして、あると便利なのがこちら。
北海道・北見の名産、ハッカ油のスプレーです。これが、虫よけに最適なのです!!絶対に虫が寄ってこないし、手のひらに収まるタイプなのでかさばらない。市販の虫よけスプレーと違って、余ったら部屋のアロマに、トイレの消臭に、まな板の殺菌に…と色々使える。ミントの香りもクセになります。
北海道の内地のお土産屋さんで必ず見かけます。利尻島内では、鴛泊地区のニコット(ホームセンター兼スーパー)で売っています。
なおポン山には、急な傾斜を繰り返す、という道はないので、軍手や登山用ストックは基本的には不要です。ただストックを使用したい場合は、先端にゴムキャップを付けるのが利尻山ルールです。
山頂までの道
登山口である、北麓野営場管理棟できっちりトイレを済ませましょう!ここのトイレは新しくてとてもキレイ。この先往復約2時間、トイレは無いですよ。管理棟には自販機もあり便利です。
登山道入り口に、靴の裏の汚れ落としがあるので、きちんと流してから入山します。
フェンスにいた小鳥がかわいい。
登山口から甘露泉水までは10分程度。道案内もあるし、コンクリートで舗装された道路なので楽々です。おしゃべりしながら歩けるくらいの傾斜です。
そうこうしていると名水・甘露泉水が!
新緑の木々に囲まれて、鳥のさえずりと流水の音だけが響く場所。この場所で名水を味わえる幸せ。ここで水分チャージします。この先、水汲み場所はありません。
甘露泉水を過ぎるとコンクリートの舗装道は終了。生態系維持のため、登山道からはみ出さないように歩きましょう。
草木がちゃんと刈られていて、道にはみ出していることも無いので歩きやすいです。
草や木の香りに包まれながらぐんぐん進みます。利尻はどこでも、森に入ると鳥の声がすごく近い!そして初めて聴く鳥の声がたくさん。普段の生活では鳥など気に留めていないからでもあるし、利尻は鳥の数や種類が豊富だからということもあるでしょう、「生き物がすぐ側で暮らしているんだ」と実感して嬉しくなります。
6月上旬は花のベストシーズン。ポン山は小さくて儚げな花が多いです。
エゾカンゾウも。写真撮りまくって歩みが遅くなる登山好きあるある
野営場から25分程歩くと、「姫沼分岐点」があります。姫沼とは、利尻山のふもとにある景勝地。沼の周りを10分程度で一周できる散策路があります。
ここからの登山コースは3通り。
①ポン山登頂後、姫沼へは行かず、往路と同じ道を下る(約50分)
②ポン山登頂後、姫沼分岐点まで戻り、姫沼へ抜ける(約120分)
③ポン山を登らず、姫沼へ抜ける。(約80分)
管理人は、①のポン山のみ登頂を選択しました。時間と体力があるなら、②のポン山登頂したあと、姫沼の周りを散策する、というコースが一番絶景を堪能できます。ですが②だと、登山口(北麓野営場)に車を置きっぱなしになってしまい、あとあと車を回収するのが面倒なため今回はパス。
ちなみに姫沼自体は別ルートから車ですぐ近くまで行けるので、管理人はポン山と姫沼は別々に訪れました。
ポン山へ方面へ向かうとまた看板が。
おすすめは絶対に大ポン山です。山頂から、利尻山と港と海と礼文島を眺められるのは大ポン山だからです。小ポン山は登頂はできますが、視界が開けておらず絶景は望めないです。
ぐんぐん進み、右手側の木々の隙間に海が見えてきたら、山頂の絶景はすぐそこに!
山頂に到着!目の前には…
ばーん。どうでしょうこの神々しさ、美しさ。こんなに間近に利尻富士が拝めます。島で利尻富士を見上げるとどうしても人工物が視界に入ってしまいますが、ここからは自然しか目に入らない。6月上旬はうっすら山に雪が残っていて、新緑の木々とのコントラストがキレイ。
そして利尻富士と反対側には、おとなり礼文島やはるか北海道まで見渡せる大海原が広がっています!鴛泊漁港まで丸見え。後ろに山、目の前に海と大陸。なんて贅沢な眺めよ…!と、いたく感動し、そして致命的なミスを犯す。
写真撮らず。
こんなに絶景なのに!いや、ポン山山頂からの利尻富士は前述のように写真に収められたんですよ」…。ただ、山頂のベンチに座り、利尻富士を背に海の絶景を堪能しながら、とうきびチョコをもぐもぐしていたら一瞬で辺りが霧に包まれてしまいました。視界真っ白。「写真撮るより、まずは腹減った!」とのんきにしていたツケですね。とうきびチョコなんかに心奪われるんじゃなかった(でも美味い)。
山頂から撮れた写真はこの2枚だけでございました。この後、すぐに霧に包まれ、目先1メートル位の視界になりました。海側の写真撮りたかったです、後悔。
これから登山する方へ。山の、しかも島の天気は変わりやすいので写真撮るなら早めに撮った方がいいですよ。まぁ、そのぶん一瞬だけ拝めた山頂の景色は貴重で忘れられなくなりましたが。
ちなみに山頂には、長いベンチ×2があります。山頂にはハイマツ(高山帯に生える背の低い木)が植生している位で、風よけになる高い木はないので寒いです。防寒具をお忘れなく(管理人はユニクロのパーカーでしのぎました)。
それにしても最高の霧景色だったわぁ…
登山の後のお楽しみ 温泉
山頂の景色を楽しんだら、登ってきた道をそのまま下ります。帰りはラクラク、30分程度で北麓野営場まで戻れます。
野営場から鴛泊市街への一本道路を降りていくと、温泉があります。
利尻島にふたつしかない温泉のうちのひとつ、利尻富士温泉。広ーい露天風呂でリフレッシュしましょう。
利尻富士温泉
営業時間 6月~8月 11:00~21:30 定休日ナシ
料金 中学生以上500円、小学生250円
※9月~5月の営業は12:00~21:00まで。11月~4月は月曜日休館。
※シャンプー、リンス備え付けあり。浴場外には無料の水も完備。
まとめ
せっかく利尻島に来たなら自然に親しみたい、という方が多いはず。ポン山ハイキングでは、ちょっと歩けば、森林浴も名水も抜群の眺望も存分に堪能できます。体力に自信のない方でも楽しめる、ポン山登山、おすすめです!
オワリ
